涼やかな風が吹き抜ける“秋のお散歩デート”を楽しむオススメスポット「常滑(とこなめ)」
暑い夏も終わり、晴れやかな天気でも涼しい“お散歩”に最適な季節。
そんな季節にピッタリのデートスポットが中部国際空港のすぐそばにある焼き物の街「常滑」。
古くから陶磁器の街として栄えたこの街の名産“常滑焼”は六古窯の一つに数えられる伝統的な焼き物。街中には今なお昭和中期以前に建てられた登窯やレンガ煙突、コールタール塗りの黒い板壁の工場などが残る。
そんな歴史あるロマン溢れた街並みをお散歩して楽しむためのオススメスポットをご紹介!
デートの始まり「常滑駅」
お散歩を楽しむメインスポットは「やきもの散歩道」と呼ばれる、常滑駅の東側に広がる全長約1.6kmの散歩道。
駅を出ると、早速常滑らしい街の案内板が登場。
まずは看板を前に、今日のルートを再確認!これから巡る場所を見ながら2人のテンションを上げていこう。
やきもの散歩道は、細いくねくねした道が多いため道に迷うこともしばしば。この案内板の写真を撮って街の地図を手に入れておこう。もしくは、駅のインフォメーションセンターにやきもの散歩道のマップも置いてあるので、紙ベースで持ち歩きたい人は先にマップを入手するのも良いかも。
まずは最初の目的地である「陶磁器会館」を目指して東へ進みます。
先ほどの案内板すぐそばに招き猫達がお出迎え!可愛らしい風貌の様々な招き猫が歓迎してくれる。
ちなみに常滑は招き猫の生産量が日本一なのだとか。そんな小話を挟みながら、最初の交差点を必ず反対側の通りへ渡り目的地へ進もう。
無事反対側の道路に渡れると、目の前に現れる大量の招き猫が飾られてる通りにたどり着く。その名も「とこなめ招き猫通り」。
コンクリート壁に「御利益陶製招き猫」39体、「本物そっくりの猫」11体がある、最初の観光スポット!
39体の御利益陶製招き猫は、常滑市の陶芸作家39人が愛情をこめて一体ずつ手がけて作られたもので、その一体ずつに様々な御利益が込められています。
様々な顔や形の招き猫がいて、その御利益も猫それぞれ。お気に入りの1匹とツーショット写真を撮りながら、相手が今求めている願望を聞き出してみるのも一興かも。
招き猫通りを楽しみながら歩いていると、そのすぐ先に現れるのがやきもの散歩道のスタート時点“陶磁器会館”。
歴史を感じる建物の中には、常滑焼の展示即売もやっている。中にはトイレなどもあるため、散歩道へ突入する前に準備を整えよう。
やきもの散歩道で楽しい散歩コースを歩いて行こう
来た道を少し戻って、いよいよ散歩道のコースへ突入!
すると、早速道端にハンドメイドのアクセサリー屋を発見。アクセサリーに興味があれば、可愛らしいアクセサリーを覗いてみるのも楽しいだろう。
その先へ進むと、すぐそばに今度は常滑らしい陶器のお店が現れます。
とってもレトロながらお洒落な色合いのお店。中を少し覗いてみると、とってもお洒落な常滑焼が並んでいます。床が焼き物の破片でできていて、とっても良い雰囲気が出ている。
お洒落な陶器がいくつも置いてあって、家で使ってみたくなるようなものもチラホラ。もし一緒に行く相手が食器や雑貨が好きな人であれば、大きめのリュックを背負ってきて荷物を入れてあげるときっと喜ばれるだろう。
とはいえ、やきもの散歩道にはこのようなお洒落な常滑焼のお店が数多く存在する。時間と体力に余裕があれば、お店を一通り見て回り、最後に気に入った物を買えると一番良いかもしれない。
お洒落なお店を見て周るのも楽しいが、ここは街並みを散歩しているだけでも楽しめる。
お店を出て少し進むと、レンガ煙突が目の前に現れる。いつも歩いてる街並みと違った異世界感を味わうことができ、散歩しているだけでも楽しい上に、絵になる場所が多いため撮影スポットも豊富!
スマホの写真が高画質になったおかげで気兼ねなく簡単に自撮りも撮れる時代。普段と違う空間を満喫してる瞬間の2人を写真におさめて仲を深めよう。
ちなみに5番地点でコースを少しはずれたところに「とこにゃん」がいる。
高さ3.8m、幅6.3mもある迫力満点な巨大招き猫!常滑の人気スポットの一つで、見守り猫「とこにゃん」の愛称で親しまれ、街を訪れる人を歓迎してくれる。この写真もそうだが、みんな歩道橋から写真を撮っている。2人でツーショットを撮りたい・・・けどなかなか撮れない・・・なんて人はこの招き猫を含めたスリーショットにしてみると案外スムーズに撮影できるかも?
元の道へ戻ると案内看板もあり。街の所々にこのような案内看板があるため、場所を確認したりするのに非常に便利。
楽しいトーク、珍しい風景、インスタ映えスポットの数々など、ついマップの意識が途切れてしまうことが多い散歩道。
多少道を間違えても楽しい小道が続くので、退屈はしないが、行きたかった場所に着けないこともあるので要注意。
おやつ処「だんご茶屋」の名物“醤油だんご”
老夫婦が営むほのぼのとした雰囲気のだんご茶屋では、1本90円とお手軽価格の団子を買うことができる。
長年継ぎ足しで使われる醤油ダレをつけて焼いた団子は、とってもアッサリとした醤油味。団子はとっても柔らかくて、焦げた醤油の味と相性抜群!
お腹空いてる時に食べると止まらなくなりそうだが、ここは1本ずつの購入にして散歩を楽しもう。
食べながら歩いていくと、少し歩いた先に串入れがあるので、だんご茶屋の目の前で食べなくても大丈夫!
ただ手を洗う場所がないので、タレが手についてしまったりするとベッタリしてしまう恐れも。ウェットティッシュを事前に用意しておくと、とっても喜ばれること間違いなし。
散歩道中盤は観光名所揃い「瀧田家・でんでん坂・土管坂・登窯」
細い道を進んだ先にあるのが「廻船問屋瀧田家」。江戸時代から明治時代にかけて廻船業を営んでいた瀧田家の住宅が綺麗に残っている。
1850年頃に建築された建物を復元・整備して公開(平成12年4月)されており、貴重な無尽灯(菜種油を用いた灯火具)や和船の模型、海運の歴史などの展示を楽しむことができる。
そして、この家を抜けた先にあるのが「でんでん坂」。次に紹介する土管坂と共に散歩道の人気スポットの一つ。
少し変わったこの坂の名前の由来は、先ほどの廻船問屋瀧田家にあると言われている。船の入港をこの高台から見渡しており、船が常滑港に帰還してくる際に太鼓をたたいて知らせたことから、この高台が「でんでん山」と名づけられたのだとか。そしてそこに設けられた坂を「でんでん坂」というようになったのだとか。
坂の地面とその横の壁に、常滑焼で作られた瓶が大量に埋め込まれており、やきもの散歩道の名にふさわしい通りとなっている。
このすぐそばにあるのが、先ほど少し紹介した「土管坂」。
やきもの散歩道を代表する風景の1つが、この土管坂。明治時代の土管と昭和初期の焼酎瓶が左右の壁面をびっしり覆っている。坂道には「ケサワ」という土管の焼成時に使用した捨て輪の廃材を敷き詰め、滑らず歩きやすいよう工夫がされているのだとか。
ちなみに明治時代から昭和時代には、常滑が土管の生産量日本一を誇っており、まだプラスチック製の管がない時代は、下水道の整備などでこの土管を使用していたため大量に生産されていたのだ。
この土管坂では、23メートルの坂の周囲に63本の土管が埋め込まれている常滑の産業の象徴ともいえるスポット。記念撮影スポットとしても人気のため、カメラを持った人々が必ずいる場所。周りの人に負けじとシャッターチャンスを見つけてみよう。
その先にあるのが、1887年頃に築かれた「登窯」。1974年まで使用されていた日本で現存する最大級の登窯だ。
8つの焼成窯に高さの異なる10本の煙突。傾斜角約17度で連なる窯は、1982年に国の重要有形民俗文化財に指定された貴重なもの。さらに2007年には近代化産業遺産としても認定されており、価値ある歴史建造物として大切に保管されているが、中を見学することもできる。
常滑焼ショップ・雑貨屋・カフェなどでショッピングやティータイムを楽しむ
全長約1.6kmあるやきもの散歩道はスムーズに歩き回っても約1時間かかる長い道のり。古い街並みを楽しみながら、様々な建造物を見学しながら歩いてると、どれだけ足腰の強い元気な人でも少なかれ疲労感が出てきます。
そして、いくら物珍しい景色が続いていても、次第に目が慣れてくるもの。だんだんとそこの景色が新鮮でなくなってきてしまうので、そんな時はショップに入ったりして気分転換!
常滑焼を扱うお店がたくさんある散歩道。食器が好きな人なら、きっとお気に入りの1点が見つかるだろう。
しかし、ずっと歩きっぱなしの立ちっぱなしで疲れが溜まってしまっては、せっかくの美しい街並みや歴史ある建造物も台無し。この散歩道の途中には休憩できるカフェスポットなどがいくつもあります。陶磁器会館へ戻るまでの道のりにいくつも現れるカフェの中から好きな場所を選び、お茶を飲みながらゆったりとした2人の時間を過ごし、仲を深める時間を作ってあげよう。
古民家を綺麗に改装したお店でまったりお茶を飲むのも良いが、常滑で大人気のパン屋「パン工房 風舎」でパンと牛乳を買い、屋外に設置してある席で秋の心地よい風を浴びながら食べるのも乙なもの。
今回お邪魔した時は、たまたまチーズのパンが焼きたてだったので買ってみたが、熱々なパンはモッチモチでチーズがとろけてとってもおいしかった!
このパン屋からすぐのところにあるカフェ「侘助」も人気のお店。
さらに道路沿いに別のカフェもある。
こちらは1階が雑貨屋になっていて、2階がカフェになっている。
焼き物の他にもお洒落な雑貨や、アクセサリーなども置いてあり、下のお店を見学するだけでも楽しめる。
この階段の先にカフェがあり、ランチやティータイムを楽しむことができる。
この辺りは様々なカフェがいたるところに点在しているが、時間帯によっては人がいっぱいなこともあるため、候補を決めておき1つがダメでもすぐ次へ移れるようにしておこう。
小道を通りながらゴールの陶磁器会館を目指す。
散歩道観光、ショッピング、ティータイムを楽しみ、やきもの散歩道を十分に満喫したら最後はゴールである陶磁器会館を目指して歩こう。
地図通りに進みゴールを目指すも良し、地図を見ながら中の小道を通りゴールを目指すもよし。その辺りは2人の体力や好奇心の余力と相談しながら決めて、最後まで楽しめる工夫を凝らしてあげよう。
焼き物や雑貨などに興味があれば丸っと1日楽しむことのできる「やきもの散歩道」。
屋外を常に歩き続けるため、気候の良い時期に歩くのがオススメなので、秋の行楽シーズンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
常滑:やきもの散歩道
愛知県常滑市栄町